パプリカ
昨晩、変な夢を見た。
霧が掛かった国道。誰一人居ないし、車も無い。
そんな中、自分は車に乗っていた。助手席にはそんなに親しくない女友達を乗せてる。
なんでこんな状況なのか不思議と思わないまま、自分は車のアクセルをゆっくり踏んで走行する。
と、その時。目の前を走っていた国道に大量のねこが――くつろいでいた。
隣にいる女友達は「かわいい~」と言った。うん、確かに可愛い。可愛いけれど、このままだとねこが車の下敷きになって大惨事になるので、自分は車から降りる。
降りた自分は一匹一匹丁寧にその猫を拾い上げて、安全な場所へ避難させる。
デブねこもいた。女友達は「デブねこ可愛い~」と言った。うん、可愛い、俺もデブねこ好きだけど、今はそういった感想を述べている場合じゃない。とりあえず、避難させなきゃ。
せっせと自分はねこを避難させる。にゃーにゃーと鳴くこともなく、されるがままに移動させられるねこ。「なんの作業だ、これは?」と自分は心の中で思いながらも、ねこたちを安全な場所へ。
ねこの色は様々だった。ただなんとなく白と茶色が混じったねこが多かった気がした。すると、何故かねこの中にコーギーがいた。犬だ。自分は紛らわしいそのコーギーの毛の色にちょっとビックリしていた。今思えば驚くのはそこじゃないと思うけれど。
とりあえず、ふりふりとしたそのお尻が特徴のコーギーも担いで、避難させる。
犬も大人しく、吠える様子もなかった。そして、ようやくねこと犬を両方避難させることが出来た。
そしてまた自分は車に乗る。それからアクセルをゆっくりと踏む。
だけど、また――大量のねこと犬が現れる。助手席にいる女友達は「かわいいー」とまたしても言った。
どうしようか、と真剣に自分が考えているとそこで夢がさめた。
なんだこの夢。
目が覚めても、夢の内容がはっきりと覚えているから、なんだか変な気分になる。
それでいて、パプリカを思い出した。映画の。
映画では「思い知るがいいッ! 三角定規のたちの肝臓を!」とか言っていたけれど、自分の場合は「思い知るがいいッ! ねこたちの国道を!」って叫びながら、窓ガラスに突っ込んでそのまま木に引っかからずに死にそう。てか、死ぬ。